日本の自然は色彩に恵まれ、また、その色彩は四季の中で様々に変化する。色とりどりの自然の中で、日本人の色彩感覚は育まれ、主に衣装の分野で和の色の文化は発展してきた。代表的なものに、平安時代の「かさねの色目」がある。表地と裏地で色をかえて組み合わせたり、十二単などで異なる色の衣を、袖口や襟元などをわずかにずらして着てグラデーションなどを表現した。いずれも、四季折々の移ろいゆく自然の色に衣服の色をなぞらえて楽しんだのである。
塗料も色材という側面を持っている。塗料であれば、色のばらつきはほとんどなく、微妙な色合いをピンポイントで、量的な制約も気にせず楽しむことができる。しかも、本棚や椅子、テーブルといった家具から、内壁や外壁と、多様に色を楽しむことができる。ぜひ、塗料で、日本人の琴線にふれる和の色を、様々な場面で楽しんでいただきたい。
また、色を「美しく」楽しむには、「きれいに塗れ」たほうがいい。といっても「職人の技」の領域までいく必要はなく、ちょっとしたコツや選ぶ道具でだれにでも「きれいに塗る」ことができる。こちらも、ブログ等でお伝えしていく予定である。